運慶 2017-11-05

こんにちは、ふくうさぎ です。


今年春くらいに突然、仏像の彫刻がみたくなり、奈良に行こうと思っていたのですが腰が重かったりなんだかんだで行けていませんでした。気づけば半年経っていたある日、電車の車窓から特別展「運慶」が上野で開催されるという広告が見えた時は、仏像の方が来てくれたのか!!と思い興奮しました。

そして台風が2週連続で日本列島を直撃した週末に行ってきました。


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中は写真NGのため上手くお伝えできないですが、天才と名高い運慶の写実的で力強い彫刻の数々に圧倒されました。

ガラスに囲われていない作品や彫刻の周りを1周できるものも多く、より彫刻の細部までみることができて大満足でした。仏像がまとう布の襞や、四天王立像の逞しい肉体やそれを覆う鎧など、800年以上前に作られた国宝と重要文化財に眼福です。いつまでも見ていたかったです。

そんな中、私が強い衝撃を受けたのは実は仏像ではなく、奈良の東大寺に所蔵されている”重源上人坐像”という高僧の彫刻でした(作者については、運慶の属する慶派の流れを汲む仏師という説や同時期のもう一人の天才仏師、快慶ではという説もあるようです)。見ている人の中には「なんだかあの像、少し震えているように見える…」と言って近づいてみたり離れてみたりして確認している人がいました。それは言い過ぎと思うかもしれませんが、実は特殊メイクした人が座っているんですと言われたら私は納得できます。高い彫刻技術によって目に見えない何か、生命力やその人がまとう雰囲気のようなものさえ表現されているように感じました。卓越した表現力は時に見ている人の心をいろんな角度から刺激してきます。私は感動を通り越してしまい、ちょっと怖くなりあまり直視することができませんでした…。

今回の展示は運慶の父と息子達の作品もあり、親子3代の彫刻をみることができます。6人いる息子が全員仏師というまさに華麗な仏師の家系です。この展示会には2人の息子、長男の湛慶と三男の康弁の作品が展示されていました。湛慶作と言われる鹿や子犬の彫刻もあり、見ていると自然とほほ笑んでしまうような優しさに溢れる作品でした。

奈良だけではなく全国にある彫刻を集めた特別展ということで多くの人で混雑していましたが、貴重なものが拝めてとても有意義な1日でした。


以上、ずっと見たかった仏像の神々しさに心が洗われた ふくうさぎ でした。


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